2007年04月25日
【03】Wataru Forever.<親友「I」の気持ち。彼にしか言えなかった素晴らしい別れの言葉。>

さらに1週間が経った。
週末は彼の一人暮らしの引き払い手伝いをしに、ご両親、ご家族そして彼に近しい友人たちと一緒に過ごした。
色々な事を話した。
私が知らない事だらけだった。
「あんな事言ってましたよ、こんな事言ってたよ。」
私だけが一番彼を知っている訳じゃない、と知った。
私にしか言えない事もあっただろうが、私には言えないことも多々あったのだろう。
それからますます私のココロは穏やかになった。
これがこの出来事を受け入れられたというならそういう事なのだろう。
あんなに悲しかったのに今は笑う事もできる。
「何もしなくとも一緒にいる、時間を共有する」
「知らなかった彼を知る」
この二つのお陰でこの悲しみを受け入れられた感がする。
今後も私も私の知っている彼の話をしたいし、私の知らない彼の話もしたい。
今回は距離を置かざるを得なかった私より、リアルな彼を感じてきた東京での親友「I」の気持ちを感じていただきたい。
彼は告別式の際、素晴らしいスピーチをした。
本当に本当に素晴らしかった。
そこには本当のアイツの姿があった。
■4/10
朝から調子が悪い、テンションが上がらない・・・。
昨日月曜からものまねショーを八重洲に見に行って、夜中に帰ったから疲れてるのかなぁ。
仕事をしてると、夕方15時40分、コージさんから電話が入った。
「ワタルが亡くなった」
俺は3週間も電話をしてないアイツがこうなる事を覚悟していた。
電話の名前を見た瞬間「やばい」一瞬思った。出るにも覚悟が必要だった。
少し放心になり、トイレに行き、号泣した。
しばらくすると17時51分、「イノウエワタル」からの着信があった。
アイツの携帯から、お姉ちゃんがかけてきてくれた。
「今大丈夫ですか?ワタルが9日の17時59分息をひきとりました」
「またこの後の事はコージさんから連絡してもらいます。」
と言われ電話を切った。
肉親からの連絡にも、自分はまだ半分信じられなかった。
アイツが倒れたのは俺と夜電話した後だった。
たしか3月14日前後で、ある人とケンカした事を話した。
「へこみますねぇ〜」
そんな事を言われた気がする。
アイツはその夜、丁度夕飯を買い出しにきた。
コンビニでかけてきた。ちょっと寒い日だった。社外で話していたので寒かった・・・・。
「お互いまだ仕事か〜。じゃあ続きはまたあとで!」
話を途中で電話を切り、夜中に電話もメールもしたが返事がなかったので、
「まさか」とは思っていた。
入院したのを知ったのは翌日だっただろうか。
お姉ちゃんの留守電とコージさんが電話で知らせてくれた。
最後にメールが来たのは・・・。
社員旅行でグアムから帰った3月11日。
「おっかえんなさい!めっちゃ淋しかった」
って。
最後に会ったのは3月2日の時の飲み会だ。
ワタル主催で朝まで新宿にいた。
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あれ以来会えなくなってしまった。
そして、久しぶりに会えたのがこういう形だ。
連絡を受けて、夜中K兄(サッカーチームのキャプテン)にどうするか聞き、キングに連絡した。(キングはうちの会社の人間でワタルと自分と一緒によく遊んでいた。)
キングも明日一緒に滋賀に行く事になった。
女の子達にはとても言えない・・・。
なんだかアイツが会社に来た事など色々思い出して仕事が手につかない。
色々と連絡をしながら、仕事をし、夜中4時にタクシーに乗って帰宅。
準備をして少し寝て、15時30分東京発の「のぞみ」にキングと乗った。
車内でチームメートのG、S、K兄、M美さんと合流した。
その後、ワタルの元カノのMg、友達のMdと合流。
京都で乗り換え、草津というところまで20分。
草津第一ホテルというホテルにチェックイン。
いよいよ式に出る。タクシーで会場へ。
名前の入った案内板を見た。
入るのにとまどった。入口を入るとシーンとしていた。
会場は2階らしい。
2階に上がるとすでに坊さんの話がはじまっていた。
実はもう式は終盤だった・・・。
お焼香のために参列するが、Mgが泣いて立てない。
MdとM美さんが慰める。俺は横で待っていた。
会場入り口でご両親とお姉ちゃんにあいさつした。
ワタルの家族を見るのははじめてだった。
色々と聞くのは悪いと思い、あいさつもそこそこに参列の最後尾についた。
参列すると、会社や倉貫くん、ジオンの花が置いてあった。
個人名で俺も花をだしたかった。。
考えつかなかった自分を後悔した。
いよいよ、ワタルの棺桶の前に到着。
ぽかーんと口をあけ、
両目半開きのまま寝てる。蝋人形みたいだ。
写真のワタルは静岡学園のユニホームを着てる。
若い写真だ・・・。
なんだか冷静だった、当然こんな姿見たことがない。
唇は荒れていた。以外とゲッソリしていない・・・。
Mgがボタボタとワタルの顔の上で涙を2粒落として。
それは、かかっているビニールシートのシミになった。
通夜が終わり、お姉ちゃんとご両親とジオンメンバーで24時ごろまでいた。
その間、寿司を食べたり、話をしていた。
ワタルが最後に連絡とりたかったのは俺だという事をお姉ちゃんから聞き、友人代表のスピーチを任された。
あいつが意識を戻した時
「誰に連絡する?」
「 I くん…」
「他には?」
「もうええ…」
そんなやりとりがあったらしい。
本当にうれしかった。俺なんだろうけど、俺でいいのか…。
アイツの会社のS社長も来ていた。国立で野洲高の観戦以来だ。
途中Aーノ、コージさんが到着。
ホテルに戻り2時までMg達の部屋にいた。スピーチの手紙はMgが用意した紙に書くことにした。
はじめに「用紙がある!」とMgが取り出したのは御霊前の紙だった(笑)
神が降りた瞬間だった。
2時になりSの部屋へ。
タメB型4人で「愛」について語り(苦笑)
4時、自分の部屋についた。
さて、何を書くか…スピーチを考えだし、
悩んで何度も書き直して何とかできあがった。
朝7時だった。
「寝れないじゃないか・・・・。」
一言ぼやいて、とりあえず初日は終わった。
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■4/11
横になって、すぐ起き、シャワーを浴び、準備をした。
アイツとMgのディズニーランドの土産の派手なプーさんパンツもはいた。
今日しかはく事はないだろう。
告別式にこれをはいて、徹夜で仕上げた「あの」スピーチをする。
ふざけた野郎だと自分を思ったが、すごく自分に合っていると思った。
9時。ロビーで集合。
集まった時、自分が一番遅かった。
タクシーに乗り、昨日の会場についた。
みんなが手紙を書き始め、俺はMgに灰皿で隠された。
おにぎりを1つ食べた。
Lさん、Hさん、Yイチくん達が合流。
告別式がはじまる。
友人側の席、一番右前に座り、お経が一通り終わるのを待つと
いきなり、友人代表の挨拶だった。
「ここで、ご友人代表の〜」アナウンスが流れた。
会場、来客席と祭壇の間に「センターマイク」がある。
マイクの前に立つと、さながら「PK」の気分だった。
「ワタルと自分は彼が東京に来て、サッカーチームに入って以来の付き合いです。
自分はここに友人代表として立っていますが、
ワタルの東京での兄弟だと思っています。
振り返ると、本当に楽しい思い出しかありません。
ある日、台風が去った直後に二人で秋葉原に行き、
ノリで、メイドカフェを3軒もはしごした事。
仕事中しょっちゅう電話をしていた事。
ワタルが、「スシが食べたい」というのでいつもご馳走してあげてた事。
昨日は、お通夜でワタルのおかげでお寿司が食べれました。
でもな、俺とMgが好きなイクラがなかったぞ。
最近の二人の口癖が「ストイック」だった事。
楽しい事ばかりでした。
本当に楽しかったな。
ワタルと僕は常に、強く前向きでした。
今思えば、もし、人生の中で「辛い事、苦しい事」と「うれしい事、楽しい事」の比率が同じであるなら
きっと「辛く苦しい事」よりも、より大きな「楽しみや喜び」で包み込めば、最後には「幸せ」が残っている。
そう思ってきたのかもしれません。
ワタルは、尊敬できる恩師、先輩と仕事をし、頼れる仲間達とサッカーをし、愛する人と穏やかに過ごし、最も愛する家族に見守られ本当に幸せです。
ワタルは強く、優しい男です。
ワタルは我々が悲しむ事を望んではいません。
俺たちはお互い泣き顔を見せた事がありませんが、
いつか喜ばせて泣かせてやりたいと話していました。
「いつか絶対泣かしたんねん」
今でもそう聞こえてきます。
だから、昨日今日流した涙は別れが悲しくて泣いているのではなく、出会えた事が心からうれしくて泣いている涙です。
ご親族の皆様、今は辛いかと想いますが、ワタルはストイックに働き、遊び、サッカーをし、恋愛をしてきました。
常に全力であったため、彼の人生において、後悔の念は微塵も無いはずです。
少なくとも自分にはそう思わせてくれるのです。
ワタルは次のステージへ行きました。
我々も見習ってがんばりましょう。
最後に、ワタルが俺のモノマネで好きだったネタの中からクリスペプラーのモノマネで締めたいと思います。
「以上、クリスペプラーでした!アーイ!」
とこんな感じいつもモノマネをして笑ってもらいました。
長くなりましたが、ありがとうございました。
ワタルのご冥福を心よりお祈りしています。
ワタル、本当に楽しかった。
これからは見守っててくれよ。
本当にありがとう。
友人代表 I」
只でさえ緊張しいの自分は声が大きく震えていたのがよくわかる。
人前でしゃべるのが苦手な自分は、
緊張が隠せない中、何とか言いたい事は言い終えた。
スピーチはアイツとの思い出と、人柄簡潔にまとめるように努めた。
なんとかアイツの期待に応えられるように仕込んだ
「クリスペプラーのモノマネ」は不思議とスムーズに出た。
笑い声が聞こえた。
あんな雰囲気の中でふざけた事をした事を、本心から不謹慎だとは思っていない。
自分がアイツにできる事はこれ位だから、できる唯一の事を精一杯やるだけだった。
アイツは間違いなく喜んでいる。こんな場所でも「やる」自分を期待してくれただろう。
俺とアイツの間に「お約束」は欠かせない。
親族の挨拶があった。
親族の辛さは計り知れない・・・。
式が終り、エレベーターで下へ。
棺を担ぐ事を依頼された。
ズッシリと重い棺を担ぎ、霊柩車へ…。
隣にはMg、倉貫くんがいる。
車へ運び、倉貫くんに声をかけようとしたが、
S社長に止められ、バスへ連れていかれた。
「Jリーグで長くやってる君をワタルは誇りに思っていた」
と伝えるつもりだった。
(彼は練習があるため火葬場にはいけなかったらしい。)
車中、「ここが正念場だ。本当に覚悟を決めろ」と
自分に言い聞かし、到着を待った。
Mgとも言葉を交わさなかった。
嫌な雰囲気のする火葬場に着いた。
バスを降り、建物に入るとそこでワタルと本当に最後のお別れだ。
到着すると、そこはガランとしたグレーのトンネルのような
ただの空間だった。右に変な扉が3つあったような気がした。
ワタルが車台に横たわりまっている。
「わっちゃん!」
ガタイのいい、やさしそうな男が駆け寄った。
サトシくんだ。地元での大の仲良しらしい。
俺も後に続く・・・・。アイツの顔に触る事ができた。
保冷のせいでひどく冷たい。
小さく「ありがとう」と言えた気がする。
いよいよ、別れの時。
鋼でできた暖炉のような中に2時間いれられるらしい。
扉があく、ガラガラと棺が中に押し入れられていく。
その光景を自分はボンヤリとしか見ていられなかった。
奥まで棺が押し込まれると上から扉が降りる。
一瞬、「この扉が閉まった瞬間、この世界との別れなのだ」と悟った。
「ヴーン ガタン」「ゴォーー」
嫌な音だった。閉まった音を聞いた瞬間、みんな声をあげた
おばあちゃんがワタルの名前を叫んだ。
心で「俺は名前を叫んじゃダメだ」と思った。
耐え切れなかった。
どんなに泣いても、覚悟しても
みんなにとって、こんなに身近な仲間で、友達で、家族だったアイツが壁一枚向こうの「燃やす閉居」に閉じ込められた。
その場にいた全員の叫びが響いて自分が声をだしているのがわからなかった。
こんなこみ上げる感情に耐えきれず、右手でMgを強く抱えたまま、左手はタオルで顔全体を覆っていた。
全身に力が入り、しばらく悲しみは爆発した後、続いた。
何も考えられなかった。
ただただ絶望と悔しさに潰されてその場にいるしかなかった。
しばらくたって、少し落ち着いた頃、事務的に誰かが言った。
バスに乗って一度催事場に戻るようにと。
とぼとぼとバスに順に乗り込む、席につくとMgが「歩こう」と言った。
俺は土地勘がないので無謀だと思った。
その瞬間誰かが「歩いて帰るそうです」と言った。
誰か歩いてくようだ・・・。
すかさずMgが腕をつかみ立ち上がった。
「歩こう!」
二人でバスを降りた。
歩き出してすぐ、黒服の男達がタクシーに乗って通り抜けたのが見えた。
「何してん!?」
タクシーの中のコージさんと目があった瞬間思った。
彼らは降りて後ろから追ってきてくれた。一緒に歩いてしばらく歩いた。
メンバーが駅で待っていると聞き、Mgと二人で駅に向かった。
骨は拾えないのか…残念な気持ちになりながら駅の方角を目指して歩いた。
空は晴れてすがすがしい「お散歩日和」だった。
たんぽぽの花は大きく咲き、途中偶然土手を登ると一瞬にして桜が大きく見えた。
そこは川沿いの桜並木だった。
滋賀は東京より遅く、桜が満開だった。
「この広い世界で巡り逢う喜びを言葉じゃいい表せないね
だから僕達は微笑み 色鮮やかに過ぎる秋をドレミで唄って
冬を背に春の木漏れ日を待ち 新しく生まれ変わる 誰かを守れるようにと」
後日、ワタルが最後に好きだったこの歌を思い出し、ふいに開いた歌詞カードを見て、
涙がでた。
ワタルとあの子が出遭ったのが秋だった…。
アイツが最後に残したメッセージなんだと思い、みんなに伝えなきゃと思った。
きっと、ワタルは千の夜を越えてみんなに逢いにくる。
以上。
クリスペプラーでした!ア〜イ!
おしまい。
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この記事へのコメント
1. Posted by 12番目の男
2007年04月29日 00:28
2. Posted by コージMC
2007年04月29日 08:45
>12番目の男さん
落ち着く。
相手のわからない事をわからないようにする。
ドリかパスか。前か後ろか。右か左か。
いいプレーを引き出すためのまた別のいいプレーをする。
手足をバラバラにする。
そして得点を取る。
やったりましょう。
落ち着く。
相手のわからない事をわからないようにする。
ドリかパスか。前か後ろか。右か左か。
いいプレーを引き出すためのまた別のいいプレーをする。
手足をバラバラにする。
そして得点を取る。
やったりましょう。


































































